中村靖彦の今日思うこと

思いつくままの日記

声量は豊かでしたが歯が痛かった。

シャリアピンステーキを食べて来ました。開発者である帝国ホテルです。このステーキは、1936年に誕生しました。当時の世界一と言われた声楽家、シャリアビンのために帝国ホテルの筒井料理長が工夫して作ったステーキです。写真を撮って来ましたのでここに紹介します。f:id:terakoya05:20170501201214j:image

牛肉をステーキ用に薄切りにして、叩いて延ばします。その肉をすり下ろした玉ねぎに30分以上漬け込みます。玉ねぎのエキスがしみ込んだ牛肉を、バターでさっと焼きあげるのです。何故このステーキにシャリアピンの名前がついているのでしょうか。彼はステーキが大好きでした。1936年に演奏旅行で日本を訪れた時もステーキを食べたかった。ところがちようどそと時、折り悪しくシャリアピンは歯が痛くなってしまったのです。宿泊先である帝国ホテルの料理の責任者としては、なんとしても日本の牛肉を食べてもらいたかった。そして筒井料理長が知恵を絞って作ったのがシャリアビンステーキだったのです。いま頂いてみると、確かに柔らかく玉ねぎの風味が上品に香っていて、おそらく当時のままなのでしよう。考えてみると、新しい食の工夫というのは、本当に偶然の産物なのかもしれませんね。さて、このステーキの話をきつかけに、もう一つ面白い料理が生まれそうな出来事がありました。牛丼の大手の一つ、松屋シャリアピンステーキのたれを使った鶏丼を考えたのです。この4月に期間限定で売り出そうとしたのですが、途中から撤退になりました。結構評判は良かったんですがね、とある松屋の店長は言っていました。ブラジルの鶏肉の病気も影響したのかもしれません。あるメニューが成功するかしないか、偶然も左右するし、興味がありますね。