中村靖彦の今日思うこと

思いつくままの日記

遅過ぎたけどしないよりはマシです。

来年のコメ作りから生産調整、いわゆる減反が廃止されます。スーパーに並ぶ多彩なコメの袋を見ていると、え!まだ生産調整なんてやつてたの?と思われる方もいるでしよう。そうなんです。やつていたのです。しかも半ば強制的な割り当て制度も残っていました。減反は1970年から始まりました。その頃からコメの消費が減り、生産過剰になる懸念が強くなって、何とかしなければとの危機感から取られた政策だったのです。農家は不満でした。作りたいコメを作らせないのですから皆怒りました。そこで政府は、これは緊急避難です。1~2年も我慢してもらえれば、また元のようにコメを作れるようになりますよ、などと説明していたのです。それが50年近くも続いたのですから驚きですよね。しかし、ついに来年からこの政策は廃止されます。現在の食料法は、コメの作る自由、売る自由を掲げています。漸く本来の法の精神が生きることになるのです。けれどもこの後の農村は大変です。減反政策がなくなり自由になるのですから、どんなコメでもいくらでも作って構いません。だけどただでさえ消費が落ちているのにいくらでもコメを作ったのでは売れ残り、農家は在庫を抱えて四苦八苦することになつてしまいます。いかにして売れるコメを見つけて生産するか、そしてどう販売の戦略を立てるか、農家の意識も変わらなければならないでしょう。私は農村の変貌に期待します。本来なら減反政策などとっくに廃止されてしかるべきでした。しかし長い間国の指導の下でコメを作っていた農家の、急激な変化を好まない心理が強く前時代の遺物のようにこの政策が残っていたのです。廃止は遅過ぎたけれど、しないよりはマシです。いまの私の心境です。