中村靖彦の今日思うこと

思いつくままの日記

終戦の日と食料自給率

今年も終戦の日を迎えました。この日はいろいろなことを考えます。一番考えるのは食べ物のことです。72年前の強烈で辛い思い出があるからです。当時私は空襲を避けて、父親の実家である長野県に疎開していました。辰野という今ではホタルの里として有名な町です。しかし食べ物はありませんでした。父の実家は農家ではなく教員だったので作物は作っていなかったからです。来る日も来る日も、朝昼晩の食事は、手のひら一つのコメをかぼちゃで増量した大鍋、これを実家の5人と疎開て転がり込んだ4人、合計9人で頂くのです。ホクホクした美味しいカボチャでしたけどね、毎日毎日ではね。だけどね、その頃の食生活の食料自給率を計算したら、おそらく100%ですよ。てすから食料自給率というのは、食の豊かさ、貧しさを示す指標ではないのです。それがいまの日本では、食料自給率の低さがあたかも食生活が貧困であるかのように言われているのが、様々な誤解を招いていることが良くないと思うのです。もちろん食料自給率は低いよりは高い方が良いでしよう。だけど数値目標を設定して向上を目指すというのとはちょっと違うんじやないかと思うのです。日本の食生活の現状を客観的に認識して今後を考えることが必要ではないかと考えます。